心の酢について

自然なまま。

戸塚醸造店で造る『心の酢』は、“自然な味”“自然な香り”にこだわった天然醸造純米酢です。昔ながらの製法で麹造りから始まり、酒精発酵・酢酸発酵に5ヶ月。そして熟成に約8ヶ月。ゆっくり時間をかけて酢酸菌が落ちつくのを待ち、粕が沈み上澄みができてまろやかな味へと変わってゆくのをひたすら待ちます。食品添加物を使ったり、人工的に発酵を早めたりすることは一切しません。自然の流れの中で出来上がった“上澄み”を瓶詰めして、皆様のもとへお届けいたします。

富士山の雪解け水

より良い環境、
より良い水を求めて。

長い歳月をかけて磨かれてきた富士山の雪解け水を仕込み水に使用しています。醸造所のある都留市夏狩地区は、十日市場・夏狩湧水群として、環境省が選定した「平成の名水百選」に選ばれました。水源地からは1日7,000tの湧き水が通年12度前後と安定した水温で湧き出ています。環境の整ったきれいな流水の中でしか育たない梅花藻も咲く、全国でも限られた場所です。

心の酢ができるまで

洗米・浸漬・蒸し

こだわりの有機栽培米を使用しすべてのお米を手で研いで行きます。工場の近くから湧いている富士山の雪解け水を使っています。洗米後、半日ほど水を吸わせ(浸漬)水切りをします。洗米・浸漬・蒸しは、麹の出来を左右するとても大切な作業です。甑(こしき)で蒸し上がった米を麹室へ運び、麹造りが始まります。

製麹

蒸米が、麹菌の繁殖温度まで下がったら種麹を振りかけて、菌が蒸米に満遍なく付くように混ぜて(床揉み)、ひとまとめに積み上げて保温します(床製麹)。24時間後、麹菌の増殖で固まった蒸米を丁寧に崩して平らに広げます。二日目になると繁殖が盛んになり、発酵温度が上昇してきます。麹の温度や繁殖具合を見ながら、数時間おきに手入れをして丁寧にほぐして混ぜ、発酵にバラツキが出来ないようにします(棚製麹)。出来上がった米麹を木箱に移し(出麹)、余分や水分を飛ばし温度を下げて(枯らし)米麹が完成します。

酢もともろみと呼ばれる
酒づくり

米麹が出来上がったら、新たに米を蒸します。低温でじっくりアルコール発酵させるためには、最初の温度管理がとても重要です。タンク内の仕込み水に酵母菌を入れ、米麹、蒸米の順に数回に分け投入します。2〜3日経つと麹菌・酵母菌の働きにより、糖化・アルコール発酵が始まります。無駄なく良いお酒ができるように毎日数回の撹拌をし、約2ヶ月後に酢もともろみとして完成します。

静置発酵法

出来上がった酢もともろみを水で割り、良質の種酢と共に甕へ移します。種酢が加わった酢もともろみは、2〜3日経つと表面が酢酸菌膜に覆われます。酢酸菌膜がアルコール分を栄養にして、酸素を吸いながら、酢酸菌を増殖させていきます。酢酸菌膜が35℃になるように日々温度管理をしながら約3ヶ月。アルコール分がなくなったら酢酸発酵を終え、熟成となります。

熟成・瓶詰め・出荷

麹造りから始まり、酒精発酵・酢酸発酵に約5ヶ月。そして約8ヶ月静置熟成させることにより、ようやく『心の酢』が完成です。濾過機や濾過助剤などを使用せず、長期熟成させることで生まれる『上澄み』だけを瓶詰めします。1本1本丁寧に心を込めてラベルを貼っていよいよ出荷となります。

本物の酢を造りたい。

心の酢は、澱引き剤や濾過剤などを一切使用せず、粕が沈むまでゆっくり待ち、上澄みを無濾過でビン詰めしています。無濾過にするのは、単純に濾過をしない方が美味しいと感じたから。安心、安全な素材で余計なものを入れない、使わないという今の醸造法は、手間や時間はかかりますが、自然のまま、安心で美味しい酢が造れるので、私にとってはこのやり方しかありません。
心の酢は、お米の美味しさ、風味豊かさが伝えられていると思っています。麹造りから始まり、酒精発酵・酢酸発酵に約5ヶ月、そして熟成に8ヶ月以上かけた本当に手間のかかる酢造り。できるだけ自分の目の届く範囲で、ほんとうに美味しくて安心なものを造りたいと考えているので、一から十までの工程を全て心をこめて造っています。ぜひ一度、自然のものがもつ美味しさをお試しください。

戸塚醸造店